初夏に向かう春の日に

夏の気配が近づいて
梅雨の手前の晴れた日に

明るい白地の江戸小紋を選んで

長着にほんのりのせられた桜色に
重ねたのは鮮やかな撫子色の塩瀬

半衿や帯揚の小物には絽を
季節の移ろい、それ自体を身に纏う着物の密かな贅沢。
薄鼠、白郡、藤色、桜色…
淡く優しい長着の雰囲気を大事に、ひとつずつ小物を選んでゆく…。

その悩む時間もまた、着物の楽しみとして。